『おっぱいバレー』への道~KFC秘話~第四話
前回は『おっぱいバレー』の時代設定についてどうしてこの時代なのか?という話題でしたが、今回はもともと静岡県のお話がどうして北九州市のお話になったのか?この点についてご紹介していきましょう。
<わが街を舞台にするために>
第二話で提出した、提案書では原作本に比較的忠実にロケ地を探した。
しかし、第三話で紹介した時代設定の変更で、BOSS日々谷の次なる戦略は決まった。
「北九州を売り込む!」
「時代設定が変わったのであれば、街の設定も当然かわる。」と考えたKFCは、提案するロケ地を時代設定の変更とともに、北九州色の濃い場所に、転換していった。若戸大橋の見える坂道、屋上から工場地帯が見渡せる学校、筑豊電鉄など
「これは北九州だろう!」
という場所を意識的に提案していったのである。
5月の下旬、いよいよ北九州に羽住監督がロケハンに訪れる。
3日間で北九州を余すことなく約30箇所まわるという強行日程を組んだ。
「『おっぱいバレー』のロケ地を勝ち取る!」というKFCの決意のあらわれであった。
今まで提案してきたロケ地を実際に羽住監督に見てもらうのだ。
FCとしてこれほどドキドキすることはない。
そして、ロケハン当日。
われわれの緊張をよそに、ハイテンションで北九州の風景に「ナイスおっぱい!」を連発する羽住監督。
手ごたえを感じたロケハンであった。
われわれFCの役目からするとわが街がそのままわが街として舞台になるというのが理想である。
しかし、通常、ロケ地がそのまま映画の舞台になるというのは、本当に限られている。今までにKFCが誘致支援してきた作品も、舞台が北九州であるものは少なく、圧倒的に他の都市の設定でロケが行なわれることの方が多い。例えば、『バトル・ロワイアルⅡ』のアフガニスタン、『初恋』の東京、『出口のない海』の呉、昔の広島駅や釜山駅に使われることもある門司港駅などなど・・・。このようにいろいろな撮影ができるのも北九州の強みではあるが、やはり北九州としてスクリーンに描かれてほしい。
<写真説明>左上/廣島駅となった門司港駅 右上/新宿駅南口の階段になった新砂津橋
左下/アフガニスタンの荒野となった某砕石場 右下/戦時中の呉の海軍基地となったJR小倉工場
そこで、誘致の段階からできる限り北九州らしい風景を売り込む。
その結果として、最終的に当初の設定を変更して北九州が舞台になった作品は、実はもともと北九州が舞台であった作品より多いのだ。
『おっぱいバレー』のロケ誘致は当然、さらに舞台を完全に北九州にしてしまう!
かつて、『プルコギ』『この胸いっぱいの愛を』など数々の作品に企画段階から関わり、その舞台設定を他都市から北九州にかえて誘致してきた、BOSSにとっては自然の成り行きであった。
しかも、今回は熱い友情関係で結ばれる羽住監督とのタッグである。
はたして、KFCは『おっぱいバレー』ロケ地はもちろん、「北九州が舞台の物語」という、二つの勲章を得たのである。
こうしてKFCは『おっぱいバレー』への道を見事に走りきったのである。
しかし『おっぱいバレー』の道は、まだまだ続く。
われわれは『おっぱいバレー』の入り口にたどり着いたに過ぎないのだ。(せいの)
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